2017年05月07日

まるで”ヒート” キプチョゲが徹底制御の環境下で非公認世界記録達成:マラソン

 ここまでやると、ちょっとどうかとは思う。
 
 
 マラソン2時間0分25秒のキプチョゲの非公認世界記録に賛否の声(THE PAGE)

リオ五輪の男子マラソン金メダリストで、世界歴代3位となる2時間3分5秒の記録を持つエリウド・キプチョゲ(32 、ケニア)が非公認レースで2時間0分25秒の“世界最高記録”でゴールした。非公認レースのため公式記録にはならないが、2014年にデニス・キメット(32、ケニア)がベルリンで記録した世界記録の2時間2分57秒を上回った。

 今回の非公認レースは、スポーツ用品メーカーのナイキのプロジェクトとして行われたもの。ナイキのホームページによると、フルマラソンでの2時間切りを目指す、「ザ・ブレーキング2」というプロジェクトで、イタリア、モンツァのF1レースコースを使い制御された環境で“実験”が行われた。

 ニューヨークタイムズ紙は、「エリウド・キプチョゲはナイキのスペシャルシューズを履いて、世界最速でマラソンを走った」という見出しと共に、賛否両論の声があることを報じた。

 キプチョゲの他に、ハーフマラソンの世界記録保持者、ゼルセナイ・タデッセ(エリトリア)、ボストンマラソンで2度優勝しているレリサ・デシサ(エチオピア)も参加した。

 ナイキが企画したレースには記録を出すための条件が整えられていた。

 同紙は「イタリアの朝5時45分から開始され、2.4キロメートルのF1のレースコースを17.5周した。ナイキは涼しい気温のコースを選び、木々が風を防ぎ、アスファルトで舗装されたコースで、鋭い曲がり角が少ない。水蒸気圧が選手の体を冷やすことを助けた」と解説。

 さらに「30人のペースメーカーのグループがぺースカーの後ろで三角形を作っており、風を防いだ。液体の補給は、ランナーが立ち止まらなくてもよいように自転車に乗った人が提供した」ことも付け加えた。

 また同紙は、「ランナーたちはカーボンファイバーで作られた特注の軽量シューズを履いていて、このカーボンファイバーは一部の科学者から、バネの役割をするため、ランナーに不公平な有利さを与えると指摘されてる」とナイキの特殊シューズについても触れている。

 国際陸上競技連盟の規則では、シューズに関しては曖昧なところがあり「ナイキはシューズは(規定に)適合しているとし、このシューズによって走るのに必要とするエネルギー消費を4%減少させることができ、スピードを与え、疲労を軽減に役立つとしている」と、効果を伝えた。

 こういう特別な条件で出された非公式な世界記録に批判的な見方もある。

 同紙は「土曜日の挑戦はスポーツ競技ではなく、公開スタントだという批判的な見方もあった。レースではなく、大胆なパフォーマンスが強調されたからだ。ナイキは新しいランニングシューズを1週間前に発表しているという事情もある」と述べている。
 
 そして、このような疑問を突きつけている。

「3人のランナーは土曜日のレースの前にドーピングのテストを受けたかどうかという疑問がある。ナイキはキプチョゲ、デシサ、タデッセは定期的に国際陸上競技連盟の規則に従ってテストを受けているとしか言っていない」。

 ただ「その一方で、この試みには関心を持った人たちがいる」とも伝えた。

 同記事では、米国マヨ・クリニックのマイケル・ジョイナー医師の言葉を紹介している。ジョイナー医師は、1991年に「人間は1時間57分58秒でマラソンを走る可能性がある」と発言していた。同医師は、「私は(2時間を切ることが)起こるだろうと思っています。キプチョゲは素晴らしいと思います。これは全く不成功ではありません。私自身はとても勇気づけられました」とコメント寄せた。

 レースで勝つことが重要なのか、それとも条件を整えても人間の可能性を追求することが重要なのか。先日、国際陸連がすべての記録の白紙化案を出して議論となったが、再び、勝負か、記録かという陸上競技の根源を問われるような“実験”になったことは間違いない。
(引用終わり)


 このプロジェクトの存在は知ってはいたが、記事中に赤太字にした部分、ペースメーカーが多数走って風を防ぐ役割をしたというのはちょっとやり過ぎのように思える。 シューズに関してはどれくらい違うのかなんとも解らないので何とも言いようが無いが・・・

 今週、ずっと読み進められていなかったマラソン小説、『ヒート』を読んでいるのですが(今週は皮肉なことに電車通勤で読む時間が有ったので)、この小説にも日本人最速の選手に日本で世界記録を出させる為に、ロードとはいえ平坦な高速コースを設定した上で、風を防ぐ防風用看板を設置したりと、肝心の日本人最速選手本人が不快感を示してしまうような条件を整えて大会を開催しますが、今回のプロジェクトはそれをさらに極端なものにしたと言えそう。 ここまでするとちょっとどうなのかな?という感じはする。

 ただ、それを言うと、ペースメーカー自体も賛否の話が出そう。 ペースメーカーが居なければ、今の世界記録を更新することは難しそうだが、ペースメーカー有りと無しの世界記録は分けて考えた方が良いのかもしれない。

※ ヒートは堂馬俊一さんのマラソン小説。 箱根駅伝を題材にした前作『チーム』の続編で、世界記録に挑むのは『チーム』では学連選抜の9区を走り、4年続けて違う区間での区間新記録を樹立した傍若無人なマラソン日本記録保持者、山城悟。 『チーム』『ヒート』ともにブログ友のあおさんのご紹介で興味を持ちました。 そのあおさん、ブログを閉じられたみたいですが、どうされているのか・・・
 
posted by ちゃんちゃん at 15:19| 大阪 | Comment(2) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「2時間切りに挑戦中」のライブ動画を観て何のこっちゃと思っていましたが、無理だったんですね。これだけ条件を整えても厳しいということは人間の限界も近いのかなと思ってしまいます。

ところで、あおさんどうしたんでしょうねぇ?ブログを閉じられる前に「えっ?」と思うコメントを残した直後閉鎖されただけに余計に気になります。
Posted by 銀ベェ at 2017年05月08日 12:49
 銀ベェさんは動画ご存知だったんですね。
 僕は遅れてニュースで知りました。

 限界は近いでしょうが、それでもいつかは2時間は切るでしょうね。
 夢の世界ですが、それが日本人なら誇らしいですね。 でも、ここまで整えられた環境だとちょっとなあ・・・ という気持ちになってしまいます。

 あおさん、ツイッターを銀ベェさんのリンクから確認しましたが、そちらも全く更新無いですね。 まあ、ツイッターはもともとほとんど更新有りませんでしたが・・・
 ブログ閉鎖も『閉鎖する』とはおっしゃらずにいきなり無くなりましたし、本当にどうされたのでしょうね?
 メアドは存じているので一度メールしてみようかとか思っていますが、忙しくなるようなことをおっしゃってましたので迷惑になってはいけませんし・・・
 悩みます・・・
Posted by ちゃんちゃん at 2017年05月08日 18:14
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック